チャンスは逃がさない。首位と3打差14位から出たツアー未勝利の平本世中(せじゅん、23=フリー)が7バーディー、2ボギーの65。通算6アンダー134で首位に浮上した。レギュラーツアーどころか下部のABEMAツアーでも未勝利の伏兵が、最終予選通過で出場権を得たメジャーの舞台で“下克上”を目指す。1打差の2位にツアー3勝の大槻智春(33)、2打差3位に同18勝の石川遼(32)らが続く。
平本は、1番で2打目を1・5メートルにつけバーディー発進し「いいリズムでスタートできた」と波に乗った。ショットの感覚が良く「あとはパターだけ」と思いながら迎えた17番パー3。スライス~フックのスネークラインで「寄せに行った」という約20メートルのパットがカップに吸い込まれ「いい結果につながった」と笑顔を見せた。18番も取って、混戦から1歩抜けだした。
父親が日本人、母親が韓国人。「世中」という名前には「世界の中心で活躍できるように」という両親の熱い思いが込められている。日本オープンは「小さい頃から日本で育って、JGA競技(日本ゴルフ協会)である日本ジュニアにも参加させてもらってたので、特別な試合と実感しています」。世界への第1歩として、日本タイトルのチャンスがやってきた。
主戦場はABEMAツアーで2位が3度。賞金ランク4位につけるが優勝はない。リランキング33位の権利でツアーに出場しているが、シーズン終盤は選手数が絞られるため出られるのは今週まで。そんな時に、優勝すれば5年シードのビッグチャンスがやってきた。
「僕も、いち人間。明日は緊張すると思うけど、受け止めながら(この日のプレーを)再現できれば」。昨年大会の第3日には13年マスターズ王者アダム・スコットと同組でラウンドした。得意の英語でメンタル面について質問し「彼も緊張すると言っていた」ことを思い出す。そのスコットの金言を胸に、大仕事をやってのける。【阪口孝志】

