1打差3位で出た稲見萌寧(24=Rakuten)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算22アンダーの266で約1年2カ月、434日ぶりの復活優勝を飾った。今季初勝利で、昨年8月のニトリレディース以来通算13勝目となった。

表彰インタビューでは歓喜の涙がほおを伝った。「今年は苦しい時期のほうが多かった。優勝できて良かった」と実感を込めた。「新しい未来が切り開かれた」とも語った。

4番パー4でバーディーを挙げ、桑木志帆とともに首位で並んだ。7番パー4でも伸ばして首位並走を保ったが、自身はパーセーブの9番で桑木に先行を許した。

12番パー5で短いイーグルパットは外れたものの、バーディーを獲得。このホールで桑木はボギーだったことで、単独首位に立った。15番パー4でボギーをたたき再び追いつかれたが、ペ・ソンウ(韓国)も加わった終盤の競り合いを制した。

「今年の前半は調子が悪く、予選通過も難しい中、応援してくれたファンに感謝いっぱいです」

シーズン9勝を挙げた20-21年には賞金女王に輝いた。21年東京五輪で銀メダルも獲得した実力者。今季はショット精度が不安定で、序盤には予選落ちが続くなど精彩を欠いていたが、徐々に調子を取り戻していた。

1打差で最終日を迎えた前日には「追う立場の方が気持ちは楽。行けるだけ行きたい」と話していた。その言葉通り、思い切ったプレーで久しぶりの白星をつかみ取った。