4年ぶりの国内ツアーに参戦となった松山英樹(31=LEXUS)が、1イーグル、6バーディー、ボギーなしの63で回り、8アンダーで単独首位発進した。9年ぶり2度目の優勝に向けて弾みを付けた。1打差2位にはアマチュアとして唯一出場した杉浦悠太が入り、2打差3位では、賞金ランキングトップの中島啓太、宮里優作ら3人が追う。

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インスタートの松山は18番パー5、残り226ヤードの第2打で宮崎のファンを沸かせた。4番アイアンでピン右1・5メートルに寄せるスーパーショットを見せたが「ミスショットです。たまたま転がっていっただけ」。ケプカ、クラークとのメジャー制覇経験者3人のペアに集まった多くのギャラリーの盛り上がりとは対照的。パットを沈めてイーグルを奪っても、内容も求める本人の表情は厳しかった。

先月に行われた米ツアーのZOZOチャンピオンシップ(千葉)では51位に終わり「やさぐれていた」。直後に体調不良にも悩まされ1週間半ほど練習も思うように出来なかった。それでも開幕2日前の会見では、「不安はある」としながらも「もう1度自分の名前を刻みたい」と決意を口にしていた。

その覚悟が言葉にも表れる。スコア63は自身の日本ツアーベストに並んだ。圧巻な成績にも「いつ崩れるか分からない。最近ずっとそのようなプレーが多い」。慢心は一切ない。「今日だけで判断するのはどうかな」。14年以来の優勝を見据え、「最終日に良い位置でプレー出来るように」と気を引き締めた。【村山玄】