競泳の萩野公介(20=東洋大)が3日、世界選手権(8月、ロシア)欠場を表明した。

 右ひじ負傷のため2日、合宿先のフランス・カネから緊急帰国。この日、都内の国立スポーツ科学センターで精密検査を受けた。結果は右ひじ橈骨(とうこつ)頭骨折で全治2カ月と判明した。右手をギプスで固定して会見に臨んだ萩野は「応援してくれている、たくさんの方に非常に申し訳ない。調子は上がってきただけに残念。自分の甘さと反省している」と話した。

 萩野は先月に日本を出発し、欧州GP出場後、フランス・カネに移動し、合宿を張っていた。合宿中、宿舎からプールに自転車で移動中に転倒。とっさに右手をついたときの衝撃で、ひじの骨が折れた。

 世界選手権の個人メドレーでは瀬戸大也(21=JSS毛呂山)とともに金メダルを期待されていた。金メダル獲得なら来年リオデジャネイロ五輪代表内定。1年前に五輪内定をもらって、来年五輪金メダルへ突き進む計画だった。世界選手権欠場で、五輪への戦略も練り直しを迫られる。

 今季は不運に見舞われている。昨年末には右肩に痛みが発症。泳ぎ込みの時期にハードな練習ができず、4月の日本選手権では2年連続4冠も納得のタイムは出せなかった。5月のジャパン・オープンでは体調不良で、ライバルの瀬戸に敗れた。それでも「一から出直す」と世界選手権での金メダル獲得へ、気持ちを切り替えていた。

 4年前の世界選手権選考会では、脱水症状を起こし、救急車で運ばれ、出場権を逃した。だが、翌年のロンドン五輪では400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。今回も、このまま終わるつもりはない。「来年(のリオデジャネイロ五輪)は絶対に金メダルを取ると心に決めてケガを治す」と1年後のリベンジを誓っていた。