全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は今日4日から東京体育館で開幕する。女子は4年連続9回目出場の富士見(静岡)が、昨年の全国総体8強・城南(徳島)と1回戦で激突。エースに成長したWS山本実奈(3年)が「壁」となる初戦突破に燃える。

 大黒柱の山本が3年間の集大成となる春高バレーに気持ちを奮い立たせる。「春高は独特の雰囲気がある。エースとして、チームの良いプレーを引き出し、コンビバレーで勝ちたいです」。昨年8月、3年ぶりに出場した全国総体で勝利し、決勝トーナメントに進出した自信が胸にある。

 1年時は自らのプレー内容に不満があると態度に表れた。先輩が引退し、エース候補の高橋伶奈主将(3年)が右肩負傷で調子を崩した際、責任感が芽生えた。勝利にはチームの雰囲気づくりが不可欠だ-と。昨年2月の新人戦の島田商戦敗退後の悔しさも糧にしながら今は信頼される存在となった。積極的に声を出し、味方と連係を取る山本は「昔の自分は恥ずかしいです。ここに来て性格が明るくなりました」と振り返る。甲斐健悟監督(33)も「入学時とは別人です。周りを考えることが出来るようになり選手として一皮むけた」と評価している。

 昨年の春高では急きょ出番が巡ってきた。大会直前に当時の主将・堀瑞貴(京都教育大1年)が右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、WSで3番手の山本がコートに立った。しかし、高崎健康福祉大高崎にストレート負け。「先輩の分もと思ったけど全体的にダメだった。今年こそは…」と山本。春高での勝利を目指し、強気の姿勢を貫く。【大野祥一】