女子の富士見(静岡)が2-1で米沢中央(山形)に競り勝って1997年以来20年ぶりの16強入りを決めた。第1セットは失ったが、第2セットは高橋伶奈主将(3年)のサービスエース4本などで奪取。ジュースにもつれた第3セットは、最後に3点連取で逆転勝ちした。今日6日の3回戦は、名門の八王子実践(東京)と対戦する。

 第3セット終盤、3年生3人にボールが集まった。高橋主将、山本実奈、久保田成が次々とスパイク。24-25から2ポイントを連取し、最後は相手のミスを誘ってファイナルセットを制した。瞬間、控え選手もコート内に入り、抱き合った。うれし涙を流した高橋主将は「全国で勝てるチームになることが目標だったので」と3回戦進出&16強入りを喜んだ。

 精彩を欠いた第1セットを失い、背水で臨んだ第2セットで、高橋がサーブで勢いづけた。甲斐健悟監督(33)から指示された相手コートのスペースに、ジャンプサーブを打ち込んだ。4本のサービスエースをマーク。逆転勝ちへの展開を呼び込んだ。大会直前に左太もも肉離れを負った高橋の患部には、厚くテーピングされているが「大丈夫です」と言い切る。甲斐監督も「(高橋は)気持ちでプレーするタイプ。最後も高橋をはじめ(コート内の)3年3人がやってくれた」と感謝した。

 前日4日の初戦突破と同じく、16強も20年ぶりだ。初戦後、選手たちは元日本代表で20年前のエースだったOG杉山祥子さん(37)から「次も絶対に勝てる」とエールを送られ、自信を持ってコートに立った。ついに偉大な先輩と成績で並んだ。今日6日は全国屈指の名門、八王子実践と対戦する。小林未侑(3年)は「うちらは挑戦者。悔いなくやります」。高橋は「未知の領域ですが、自分たちの力を出し切れば勝負できます」と静かに燃えた。【藤中栄二】