男子テニス世界ランク5位の錦織圭(27=日清食品)が、新年最初の優勝に王手をかけた。昨年の全米覇者で世界4位のスタン・バブリンカ(31=スイス)にストレート勝ち。今大会7度目の出場で初めて決勝に進出。初優勝がかかる今日8日(日本時間午後6時以降開始)の決勝は、同17位のディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。対戦成績は、錦織の3勝0敗だ。

 年明け早々、日本が誇るエア・ケイが決勝の舞台に躍り出た。ツアーでは最もレベルが下の250大会だが、全豪オープン前哨戦だけに、錦織を含むトップ10から5人が顔をそろえた。そのタフな開幕戦で、バブリンカを破り「年の初めに最高のスタートが切れた。初めての決勝は本当にうれしい」と、表情を崩した。

 どの選手も、全豪への調整だけでなく開幕戦で好成績を残し波に乗りたい。バブリンカは昨年、チェンナイ(インド)で開幕戦優勝。今年は今大会に鞍替えし、スタートから錦織に襲いかかった。錦織も応戦するが、その気迫と強打に押され「最初はディフェンスばかりだった」。

 第1セットの第2ゲームで、早々と3本のブレークポイントを握られた。第4ゲームでは、ジュースにもつれ込むなど「自分のサービスゲームで危ない場面が何度もあった」。しかし、常に「油断するな」と言い聞かせ、集中力をアップ。ピンチをすべて逃れると、もつれたタイブレークで1-2から5点を連取し、形勢は逆転した。

 開幕戦がツアー大会だったのは過去8度ある。今大会を開幕戦に選んだのは6度あり、13~15年に3年連続で4強入りしたのが最高成績だった。開幕戦は、試合勘が戻っていない難しさがある。その状況で「(今まで)何回もトライしてきた。特に昨年は8強止まりだったので(うれしい)」と振り返った。

 実は今年も「年始、一発目なので、自分にもそんなに期待していなかった」。「ケガなく、試合数をこなすのが目標」で、年2回しか出場しないダブルスにも、この大会では毎年出場する。あくまで本命は16日開幕の全豪だけに、今大会の優勝には「いつもよりは意欲があまりない」。

 そうは言っても、コートに立てば別物。ネットの向こうに敵がいれば、決して負けたくないのが錦織だ。ピンチをしのげば何度もほえ、今大会初めて勝利の瞬間に右こぶしを突き上げた。決勝はディミトロフが相手。「思い切りやりたい。(ここまで来れば)力強く勝って終わりたい」。その先には、全豪での4大大会初制覇が待っている。【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 8日午後5時半~、WOWOWライブ。生中継。男子シングルス決勝。放送時間変更の場合あり。