世界ランキング11位の日本が、19年W杯の1次リーグで対戦する同3位アイルランドとのテストマッチ第2戦に13-35で敗れ、2連敗となった。後半は粘り強い防御から流れをつかんだが、前半に付けられた20点差が響いた。22-50と完敗した17日の第1戦から内容は改善されたが、反則やミスで何度も攻撃の機会を失うなど、課題も浮き彫りとなった。代表はこの日で解散となり、フランスなどと対戦する11月に再び集合する。

 日本の低く、しつこいタックルが世界トップ3の強豪を苦しめた。後半開始直後、相手の10回以上におよぶ波状攻撃を耐えきると、続く自陣深くでのピンチではアイルランドの強みである密集での競り合いで意地を見せた。FWが一体となって押し返し、反則を誘う。そこから一気にテンポを上げて敵陣に攻め入ると、最後はSO松田のゴロキックをWTB山田がつかみ、インゴールに飛び込んだ。

 試合が止まる度に腰に手を当てて下を向く相手に対し、最後まで運動量と高い集中力を保ち、気迫の防御で応戦。第1戦後に「貪欲さが足りない」と怒りを示したジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は2連敗に悔しさを見せつつも、「ジャパンの力を見せられた」。ゲーム主将のフランカー、リーチも「ラグビーの原点は戦い。世界のトップチームを相手に最後までよく戦えた。19年につながると思う」と手応えを強調した。

 それでも、W杯で目標に掲げる「ベスト8」に向け、満足している時間はない。主力11人を欠く「1・5軍」のアイルランドに2試合続けて前半で大差を付けられ、1対1の局面でも力の差を見せつけられた。相手の先制トライに代表されるように、ミスが絡んでの失点は前戦に続き展開を苦しくした。SH田中は「格上相手に日本が追いかける展開はきつい。我慢してFWで相手を疲れさせていけば、後半のようにチャンスは来る」と立ち上がりの戦い方を課題に挙げた。

 次に代表として戦う11月には、世界ランク4位のオーストラリア、同8位のフランスと、再び格上との対戦が待ち構える。指揮官は今秋を選手の絞り込みの最終局面と位置づける。W杯まで2年3カ月。待ったなしの強化が続く。【奥山将志】