初出場の大橋悠依(21=東洋大)が、日本新記録の2分7秒91で銀メダルを獲得した。決勝で自己記録を2秒以上更新する驚異的なラップで競泳メダル1号。同種目で15年カザニ大会の渡部香生子以来2人目のメダルに涙を流した。滋賀県彦根市で育ち、隣の中学校に通っていた陸上桐生祥秀(21)と大学も同じで、成人式も一緒。ともに世界で戦う同級生に刺激を受けて、一気に東京五輪のメダル候補に躍り出た。

 端の8コースで順位もタイムも分からなかった。大橋は、150メートルで自己最速ラップを2秒も上回った。「腕も手もちぎれてもいい」。最後の自由形で力を振り絞った。日本新の2分7秒91で銀メダル。電光掲示を見て右拳で水面をたたいた。「まさかという気持ちが大きかった。タイムにもビックリした」。5位今井と抱き合って涙を流した。

 個人メドレーの400メートルが本職。その前に200メートルで銀。準決勝はラスト50メートルを流して全体の8位だった。「意外とぎりぎりでびっくりした」。決勝は173センチの長身を生かして全開モード。苦手の平泳ぎも「肩の力を抜いて手を出すのを早くした」。本番会場での初練習では2階にある表彰台を見て「いいなあ。あそこからプールが見られたらいいなあ」と口にしていた。その願いを実現させて「いい眺めでした」と美女スイマーは笑った。