SP首位の本田真凜(16=大阪・関大高)が、フリー131・52点で1位となり、合計198・42点でシニアデビュー戦を制した。

 フリーの曲は、憧れの荒川静香さんがトリノ五輪で金メダルをたぐり寄せた「トゥーランドット」。「何があっても絶対最後まで滑りきる」と自分に言い聞かせ、緊張した面持ちで滑り出した。冒頭の3回転ルッツ、続く3回転連続ジャンプと美しく着氷。標高約1300メートルの高さで空気が薄く、終盤にかけてスピードが落ちていったが、何とか最後まで滑りきった。フィニッシュポーズの後は、酸欠で足がよろめく。血の気のうせた真っ青な顔でリンクから出ると、ぐったりと倒れ込んだ。得点を待つキスアンドクライにも座れないほど力を出し尽くした。

 体調を取り戻した本田は、表彰式で君が代を熱唱。得点や順位より、「自分との戦いに勝てた」充実感があった。「やるべきことはできたが、まだまだ頑張らないといけない」と満足はしない。「今季の1番の目標は変わらない」。シニア大会初出場初優勝で、目標の五輪への思いを新たにした。