バレーボールのV・プレミアリーグ男子、サントリーの元日本代表荻野正二新監督(47)が13日、大阪市内のホテルで記者会見を行った。21日のJTとの開幕戦(東京体育館)に向けて「目標は優勝です。最後に笑ってもらう強化をしてきた」と力強く言い切った。

 チームは昨季4位。06~07年シーズンの優勝を最後に、頂点から遠ざかっている。荻野新監督は10年の現役引退後にサントリーの監督を2年間務め、13年からアドバイザーに就任。指揮官としては11~12年シーズン以来、6季ぶりの復帰となる。昨季はブラジルで指導法の勉強に打ち込み「優しくなりました」と笑わせた。

 コート内では厳しく「今も妥協は許さない」とポリシーはぶれない。その上で、ブラジルのクラブチームで指導者が行っていたフォローの大切さに気付いた。「コーチングをする上で自分が変わらないといけないと思った。『1やったら5フォロー』しないといけない。前はかなり追い込んで、厳しいだけだった」。選手とのコミュニケーションを大切にすることで、ウイングスパイカーの米山達也主将(31)も「怒られたときに、それがどういう意図なのか、監督、スタッフ、選手で話し合えるようになった」と変化を口にした。

 今季は日本代表のエース柳田将洋(25)が海外挑戦で抜けた。その影響が不安視される中で、掲げたスローガンは「つなぐ」。荻野新監督は「バレーボールの根本的な部分ですが、ボールを落とさない」とチーム作りの軸を示し、新生サントリーの躍進を誓った。