ラグビー日本代表ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、48)が、恵まれたスケジュールを歓迎した。2日、19年W杯日本大会の試合日程が発表され、世界ランキング11位の日本は、9月20日に東京・味の素スタジアムで欧州予選勝者と初戦を行い、同28日の第2戦で同4位のアイルランド(静岡スタジアム)、10月5日の第3戦でサモア-欧州予選2位のプレーオフ勝者(愛知・豊田スタジアム)、同13日の第4戦で同6位のスコットランド(横浜・日産スタジアム)と対戦することが決定。試合間隔は全て中6日以上と、目標の8強入りに向け、理想的な日程となった。
初の8強入りを目指す日本に、追い風といえる日程が組まれた。過去の大会でも、ニュージーランドなどの伝統国がスケジュール的に優遇される傾向があったが、今回は開催国の日本に配慮がなされた形だ。1次リーグ4試合の試合間隔は中7日→中6日→中7日。同じA組のチームの最短間隔がアイルランド4、スコットランド3、欧州予選勝者3、プレーオフ勝者が4日であることをみても、休養、戦略作りにおいて大きなアドバンテージとなる。
福岡合宿から都内の会場に直行したジョセフHCは「非常に恵まれた日程だ。どこに向け、どんな準備をしていくか明確になった」と興奮を抑えるように言い、リーチ・マイケル主将(29=東芝)も「1週間のプロセスが組みやすい」と試合間隔の広さを歓迎した。
試合順も好材料といえる。15年イングランド大会では、初戦で南アフリカから金星を挙げるも、中3日のスコットランド戦は、けが人が多く、完敗。今回はルーマニアが有力視される欧州予選勝者が初戦となり、サモアになるとみられるプレーオフ勝者と第3戦で当たる。実力最上位のアイルランドとの対戦が世界ランク下位の2チームの間に組み込まれたため、連敗しづらい側面もある。ジョセフHCは「初戦でティア1(強豪国)に勝ち勢いをつけたい考えもあったが、楽な試合は1つもない。4週で4試合。しっかりチャレンジしたい」と力を込めた。
互いに疲労がたまった中で迎える因縁のスコットランド戦は、金星の期待も高まる。世界ランキング6位の強豪も、日本は中7日で迎えるのに対し、スコットランドは中3日の強行日程だ。前回大会で主将を務めたリーチは「今回はたっぷり時間があるし、しっかりした準備ができる。個人的にもリベンジしたい」と闘志を燃やした。
開催地も東京、横浜、静岡、愛知と移動距離が少なく、選手にとってプラスとなる。薫田強化委員長は「キャンプ地なども、地の利を生かして準備したい。4つ、しっかり勝ちにいく」と表情を引き締めた。ホームアドバンテージをすべて生かし、目標の8強をたぐり寄せる。【奥山将志】