フィギュアスケート女子の宮原知子(19=関大)が異例の“緊急合宿”を行うことが13日、分かった。左股関節疲労骨折から12日閉幕のグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯(大阪)で11カ月ぶりに実戦復帰。次戦のGP第6戦スケートアメリカ(24日開幕、レークプラシッド)後に北米に残り、振付師の元でショートプログラム(SP)「SAYURI」とフリー「蝶々夫人」を磨きなおすことが判明した。

 女子2枠の18年平昌五輪代表入りへ、例年にない計画だ。過去2シーズンは12月上旬のGPファイナルで2位。ところが今季は今年1月に判明した疲労骨折の影響でNHK杯に実戦復帰がずれ込み、5位に終わった。GPファイナル進出は厳しい状況のため、次戦スケートアメリカを含めて出場できる公式戦が2試合だけというギリギリの状態で、優勝すれば五輪代表に内定する全日本選手権(12月21日開幕、東京)に向かうことになる。

 今季は浜田コーチが「とにかく体のことを最優先にしてきた」と明かす通り、新SPの振り付けが7月上旬と遅れた。他の選手が滑り込んでいる時期に、カナダのローリー・ニコル氏を訪ねて「SAYURI」を一から作った。練習でのジャンプの本格解禁は10月。そのため米国のトム・ディクソン氏が手がけたフリーと合わせ、体に不安がない状態で作品の完成度を高めていく必要性があった。

 宮原は前日12日に「NHK杯に来られて計画よりも少し早めの仕上がりで、このままうまくいけば、計画通りにいくんじゃないかと思います」と笑顔を見せた。全日本選手権まで37日。未知なる“超速仕上げ”で念願の五輪を引き寄せる。