男子の仙台商(宮城)は2-1で西原(沖縄)に競り勝ち、8強入りした昨年度に続いて2年連続の初戦突破を決めた。第2セットを逆転で失い、フルセットに持ち込まれ苦戦したが、最後は13点差をつけて突き放した。

 昨年度の全国8強メンバー全員が残る仙台商が経験値の違いを示した。相手の速攻や時間差攻撃に苦しむ中、レフトエース安孫子和弥が計16得点と奮闘し、対角の小林力(ともに3年)も計17得点(いずれもブロック含む)と「個の力」で窮地を打開し、勝利を呼び込んだ。

 いきなり21点目まで先行された第1セットは、安孫子のバックアタックで勝ち越し、さらに左アタックで先取した。第2セットこそ終盤に逆転されて失ったが、焦りはなかった。最終セットは安孫子が相手ブロックの引き付け役になり、各ポジションで得点。セッター早坂心之介(2年)もフェイント2本を決めるなど、冷静さを取り戻した。小林は「ストレートで勝つ予定だったのでちょっとハラハラした」。安孫子は「反省が残る試合でしたが引き締め材料になった」と今日5日の2回戦・県岐阜商戦に気持ちを切り替えた。

 5年連続6度目の出場で全国高校選手権通算7勝目を挙げた千葉伸次監督(51)は「大苦戦ですね。相手のプレーに合わせてしまい受けにまわってしまった。勝ったことが何より」と初戦の怖さをにじませた。

 チームは昨秋の国体で宮城の原動力になり4強を経験。本大会でも初のセンターコート(4強以上)進出を目標にしている。この日の勝利は通算7勝目の全国高校選手権白星。過去1大会2勝(3度)が最高だが、一気に白星を積み重ねるつもりだ。【佐々木雄高】