女子の札幌大谷は1-2で京都橘(京都)に惜敗、初戦突破はならなかった。過去3度8強進出の強豪から第2セットを奪ったが、及ばなかった。

 21-24で迎えた京都橘のマッチポイント。相手の強いスパイクに少しだけ札幌大谷の選手の指先が触れた。次の瞬間、コート外にボールが弾んだ。1-2の敗戦に、小山恭実(くみ)主将(3年)の瞳が真っ赤に染まった。「悔しいです。手も足も出ない相手じゃなかったと思います」と、必死に言葉をつないだ。

 06年の選抜優勝大会準優勝の実績を誇る強豪と互角に戦った。「少しだけ緊張で硬かった」(小山)という第1セットは落とした。第2セットはレシーブでつなぎ、25-21で奪い返した。迎えた最終セット。最後までボールに食らいつき、勝利を目指した。3セットすべて5点差以内の接戦だった。

 昨夏の総体道予選直後に徳保勇司監督(75)が就任した。同時期に部員4人が退部。チームは不安定になった。さらに今大会直前、予定していた千葉遠征が会場の都合で中止になった。ハプニング続きの半年間に「つらかった時期もあるけど、仲間がいたから頑張れた」と、小山は涙ぐんだ。

 徳保監督は「1、2年生もよく頑張った。新年度も楽しみ」と選手をねぎらった。実力校と渡り合った経験を糧に、全国再挑戦を期す。【中島洋尚】