男子日本代表の石川祐希(22=中大)の妹、石川真佑(まゆ、2年)がエースの下北沢成徳(東京)は、3連覇に向けて好発進した。

 京都橘にストレート勝ち。第1セット序盤は接戦となったが、8-9から石川が3連続得点で流れを引き寄せた。この日の初得点をレフトから決めて追いつくと、相手のブロックやレシーブにも負けずに3本連続でスパイク放ち、ポイントを奪って逆転。直後にブロックも決めて、ガッツポーズで仲間と喜んだ。25-16と圧倒した。

 第2セット最初の得点も石川がレフトから奪った。チームも5連続得点などで引き離し、25-19。石川はレフトやライトからのスパイクに加え、ブロックなど計10得点。守備でもサーブレシーブで安定感を示して攻守に貢献した。「序盤は自分たちよりも相手の流れになっていた。後半はコートにも慣れてよくなってきた。去年は3年生に引っ張ってもらっての優勝。今年は2年生中心なので、エースとしての自覚もあるし、自分がやならきゃいけないと思っています」。コート内で声で盛り上がるなど、精神的にもチームを支えた。

 新チームになり、8月の全国総体8強、10月の国体でも5位と結果がともなわず、悩んだ時期もあった。12、13年と星城(愛知)で連覇も経験している兄祐希との電話などでの会話が心の支えだった。日本代表やイタリア・セリエAで壁にぶち当たった経験も伝えてくれた。「自分に自信がなかった。苦しい場面でもチーム一丸で乗り越えるように頑張ろうという気持ちにさせてくれました。この大会の前には特に連絡はなかったけれど、結果は気にしてくれていると思います」。兄に勝利を届けることも目標の1つだ。

 まずは1勝。「初戦でまだまだだと思う。もっとブロックを止めたり、(スパイクも)コースに打ち分けたい。まわりから3連覇と言われるプレッシャーにも負けないように頑張りたい。春高はインターハイや国体以上に気持ちを高めてくれる大会。楽しんで、日本一を目指したいです」。下北沢成徳の部訓でもある「のぞみの花を高く掲げよ」と刺しゅうされたエンジ色のハチマキを巻いて、笑顔があふれた。

【鎌田直秀】