柔道のグランドスラム・デュッセルドルフ大会(ドイツ)を終えた男子日本代表が27日、成田空港に帰国した。

 男子100キロ超級のリオデジャネイロ五輪銀メダル原沢久喜(25=日本中央競馬会)と王子谷剛志(25=旭化成)との決勝では、両者とも慎重な組み手争いが続いて指導3の反則負けでともに準優勝となった。国際柔道連盟(IJF)が導入した新ルールに基づき、両者準優勝は“珍事”でもあった。

 王子谷は「ルールだから対応するかない」と前置きした上で「指導3が何も言われずに宣告されたのは、驚きと同時にモヤモヤしている。決勝でも両者反則負けがあることが分かった。今後、こういったケースが増えていくかもしれないし、日本選手は混乱するかもしれない」と振り返った。原沢は「試合中に互いの駆け引きもあったので、もう少し時間を取ってほしかった。今後の試合の組み立てを考えないといけない」。

 男子代表の井上康生監督(39)は「指導の速さは非常に際立っていた。理解は出来るけど『果たしてこれで良いのか?』と疑問も残った。重量級の醍醐味(だいごみ)は技の1発1発のスケールの大きさでもあり、この良さを失ってしまう可能性もある」と新ルールへの疑問を呈し「ただ、これもルール。改めてしっかりと準備したい」と話した。