カヌー禁止薬物混入問題で被害にあった小松正治(26=愛媛県体協)が、男子カヤックシングル(1人乗り)200メートルで3位に入った。昨年12月に資格停止処分が解除され、復帰戦となった今大会を表彰台で締めくくった。この結果により日本代表候補に復帰。自身が集大成と掲げる20年東京オリンピック(五輪)へ再スタートを切った。

 小松が3年連続で銅メダルを手にした。「成績から見ても、力を落とすことなくできて一安心」と穏やかな表情で話した。その一方で、この大会での優勝はなく「正直悔しい」と本音も漏らした。年齢的に東京五輪を選手としての集大成と位置づけ、「五輪でのメダル獲得が最大の目標」と言う。

 身に覚えのないドーピング陽性反応が出てから、苦しかった時期を乗り越えた。「メンタル面で成長できた部分はある。それを逆に力にできれば」と力強く話した。そして「禁止薬物を入れられた小松、ではなく、カヌースプリントの小松と言われたい」と前を向いた。4月からは、石川・小松市での代表合宿でスピードに磨きをかける。「200メートルでトップスピードを時速20キロを切らずにこぎきれるように」と設定した。東京五輪へ、さらなる加速を誓った。