体操の内村航平(29=リンガーハット)が“体操ロボット”になると宣言した。世界選手権(10~11月、ドーハ)代表選考を兼ねた個人総合の全日本選手権(27日開幕、東京体育館)の公式練習が26日に行われ、11連覇を狙う内村らが調整した。

 昨年10月、世界選手権の跳馬で左足首を負傷し、棄権。「1度死んだ」と個人総合連勝記録は40でストップした。この半年は足の治療とともに体の衰えと向き合う苦しい期間となった。その中で思い浮かんだのは女子で42歳のベテラン、チェソビチナ(ウズベキスタン)の「気持ちさえ保てれば、何歳でもできる」という言葉。「確かにそうだなと思った。ロボットのような感じで、常に一定の気持ちになって練習することでしか長くキャリアを積む中で思う難しさを解消できない」と、新たな考えにたどりついた。

 4種目で予選敗退した3月のワールドカップ(W杯)ドーハ大会以降は「ストイックすぎるぐらい」と自分を追い込み「前のような自分が戻ってきた」。取り戻した自信と、ロボットのような冷静さで、半年ぶりの個人総合に臨む。【高場泉穂】