柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)女子63キロ級代表の田代未来(24=コマツ)が4日、小学生に得意の内股を伝授した。

 東京・講道館で行われた「全国少年大会合同錬成」に講師として参加。簡潔に分かりやすい指導を心掛け、小学生約50人に内股を伝授した。相手を引きつける際に、陸上男子100メートル、200メートルの世界記録保持者「ウサイン・ボルト氏の構え」を例にした。3年前に考案したボルト流の構えは、柔道教室では頻繁に披露しているというが「毎回失笑です…。短時間で理解してもらえる方法を考えた結果、私のイメージではボルト選手になりました。何か例えた方が分かりやすいのかなと思いましたが、いまいち伝わってない感じがしました」と苦笑い。

 しかし、柔道においては誰かの「マネ」は重要とする。技のイメージをすることで上達速度が変わるという。田代は小学生の時、女子52キロ級で五輪2大会銅メダルの中村美里(29=三井住友海上)の小外刈りを何度も見て学んだ。「同じ道場でずっとやらせてもらった大先輩で、練習を見ながらいつもこういう風に技をかけたいなとイメージしていました」。

 この日は大勢の小学生に囲まれて終始笑顔だった。「子どもたちは純粋な気持ちで柔道に取り組み、強くなりたという気持ちが伝わってきた。私も見習わないといけないという気持ちになりました」と、9月の本番に向けて刺激を受けた様子だった。