男子シングルス決勝で張本智和(エリートアカデミー)が、12年ロンドン五輪金メダルの張継科(中国)を4-3の逆転で破り、13年の塩野真人に続く日本男子4人目の優勝を果たした。

 張本 世界選手権のリベンジとしての位置づけだったが、最高の結果がでてうれしい。これに満足せず、ワールドツアーや世界選手権などたくさんあるのでどんどん勝っていきたい。五輪チャンピオンに勝てたのは自信になった。

 格上とはいえ、1日の中国オープンで倒した相手だった。2ゲーム先取され劣勢に回ったが、焦らない。得意のバックを駆使し、2-2と追いつく。第5ゲームは奪われたが、第6ゲームを取り返し、3-3。運命の最終ゲームは7-9と追い込まれたが、土壇場から集中力を発揮する。ジュース合戦の末、13-12で難敵を2戦連続で撃破した。試合前に「勢いと実力では負けていない」と話していた通り、力で優勝をつかみ取った。

 もう強さは本物だ。準決勝では昨年の世界選手権銅メダルの李尚洙(韓国)を4-2で下し、前日の準々決勝では、リオ五輪金メダルで現役最強の馬龍(中国)も飲み込み今や大物食いが代名詞。国際卓球連盟はホームページで「張本が嵐を起こした。世界の頂点へのステップを踏んだ」と14歳の快挙を絶賛した。20年東京五輪での金メダルが現実味を帯びてきた。