日本オリンピック委員会(JOC)コーチ会議が11日、都内で行われた。JOC加盟団体すべての強化担当者が集結した会の冒頭で、山下泰裕強化本部長(61)が、今後の重点施策5項目について説明。第1項目として「アスリートファースト」を掲げて、自らの出身である柔道でのハラスメント問題を口火として、熱弁を振るった。

 山下強化本部長 選手へのハラスメント。まだまだ起きております。6年前に柔道で女子ナショナルチームでのハラスメントが起きた。大きな問題になりました。執行部は総退陣しました。レスリングのナショナルチーム女子へのハラスメントも起きています。また日大アメリカンフットボール部でのハラスメントも連日、マスコミで報道されている。極めて残念であり、あってはならない。

 その後も14年仁川アジア大会での競泳選手のカメラ盗難、バドミントン選手の賭博問題、スキー連盟所属選手の大麻使用を挙げて「代表選手の残念な、あってはならない行動があります」とぴしゃり。さらに続けざまにカヌーのライバル選手への禁止薬物混入、今年2月の平昌五輪でのショートトラック選手と5月の競泳選手のドーピング問題に言及。「これらは決してどの競技団体にとっても、人ごとじゃありません」。近年のスポーツ界の不祥事を包み隠さずほぼ網羅する形で再発の防止を求めた。

 JOCは、インティグリティ(高潔性)を重要視しており、全競技団体の前で再確認した形だ。締めくくりには「代表選手として戦う誇りと自覚を持つべきであります」。冒頭の説明は、予定の15分をオーバーして21分間に及んだ。