フィギュアスケート男子で2010年バンクーバー・オリンピック(五輪)銅メダルの高橋大輔氏(32)が1日、都内で現役復帰を表明した。

 会見した高橋氏は「現役をやめて、テレビの仕事などでいろいろな人に会った。その中でこれ(フィギュア)が自分のやりたいことだと思った」と話した。

 大輔が戻ってきた-。14年ソチ五輪を最後に一時は引退した。その後は、アイスショーなどを行ってきたが、くすぶっていた心の炎がついに爆発した。17年全日本選手権にテレビの仕事で携わった時、「それぞれの立場、それぞれの目標を持って戦う選手たちの姿を見て感動し、この緊張感の中で戦いたい、滑りたい、と思うようになりました」と復帰への思いをオフィシャルウェブページに記した。

 さらに、「4年の月日がかかりましたが、本当にスケートに向き合っていきたいと考えるようになりました。そのためには、もう1度自分自身のスケートを取り戻す必要がある、その答えが、現役復帰でした」と説明した。

 もちろん、「4年間のブランクを取り戻すのは想像以上に難しい」と現実を受け止めてもいる。厳しい戦いになることは承知の上だ。それ以上に「もう1度、体をいじめ、鍛え直し、引退前に感じることができなかった、やり切ったと思える演技をしたいと思っています」と覚悟を持っての復帰だとつづっていた。

 高橋氏は8歳でフィギュアスケートを始め、05年に全日本選手権で初優勝し一気に主役へと上り詰めた。五輪は06年トリノ大会から3大会連続で出場。10年バンクーバー大会で日本男子で初表彰台となる銅メダルを獲得した。