日本体操協会が29日、都内で、体操女子リオデジャネイロ・オリンピック代表の宮川紗江(18)への暴力行為で無期限の登録抹消と味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での活動禁止処分を下した、速見佑斗コーチ(34)に関する一連のパワハラ騒動について会見を開いた。

協会側の弁護士は、速見コーチへの処分について「ハラスメント行為ではなく、暴力行為を認定しての処分」と説明。山本宜史専務理事も「実際のところは暴力行為でしか処分していない」と強調した。そのことを前提に、先だって宮川が開いた会見の中で、パワハラ行為をしたのは速見コーチではなく、むしろ日本体操協会であり、塚原千恵子女子強化本部長から「オリンピックに出られなくなるのよ」と言われたなどと証言したことについては、弁護士は「今回の処分とは関係ないので感想は差し控える」と答えた。

また、宮川が今回の速見コーチの処分に対し、今後への不安を訴えたが、弁護士は「宮川選手の処分に関する意向は、速見さんの処分に関しては考慮していない。協会として暴力を許すか、許さないかの問題。宮川さんは判断には入らない」と答えた。

質疑応答では、宮川の会見に関する質問に関しては、速見コーチの処分には関係ないこととして「回答を控える」という返答が相次いだ。山本専務理事は、塚原千恵子女子強化本部長は自身にとって、どのような存在かを聞かれたが、すかさず同席した弁護士に相談。弁護士は「人物評価はお答えしない」とだけ答えた。【村上幸将】