レスリング女子で、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)後、戦列を離れている五輪3連覇の吉田沙保里(35)が、8月末に母校の至学館大の副学長を辞任していたことが26日、明らかになった。練習は変わらず同大で行い、大学にも職員として残り、レスリング部のコーチを続けていく。これまで、幅広い活動をこなしてきたが、関係者によると「レスリングに集中したい」と申し出があり、大学側がこれを了承。コーチとして、これまで以上に指導に専念していくことになった。

吉田は、16年11月に副学長に就任した。学生支援や渉外のほか、広報も担当するなど仕事をこなしながら、コーチを兼任。タレントとしても活動しており、多忙な日々を送っていた。

同大は前監督の栄和人氏が、6月に五輪4連覇中の伊調馨(ALSOK)に対するパワーハラスメントが認定されたにもかかわらず、その行動に反省が見られないとして同氏を解任した。部は8月から、今までの監督一極集中を反省し、指揮はコーチ2人が執り、選手に主体性を求める集団指導体制で再スタートを図っている。吉田は実績面でもコーチの1人としても中枢を担っており、その存在がより求められていた。