B1秋田ノーザンハピネッツの身長200センチ野本建吾(26)が、「動けるビッグマン」としてコートを疾走する。3季所属した川崎から今季新加入。チームで唯一、昨季のB1リーグを経験した強みも、仲間に還元するつもりだ。明日6日にはCNAアリーナ★あきたで、琉球ゴールデンキングスとの開幕戦を迎える。4日は本拠で約1時間半の練習を行い、サインプレーの確認など着々と臨戦準備を整えた。

ゴール下だけでなく、アウトサイドでボールを受けると、野本は一瞬の速さで切り込みシュートを決めた。「自分は長身の中では機動力がある。速いプレーやスクリーンで仲間を生かす役割を求められている」。身長200センチの軽快な動きは、日本代表に選出されたほどの魅力。B2を圧倒したジョゼップ・クラロス・カナロス・ヘッドコーチ(49=ペップHC)の2季目となるB1挑戦に、新たな武器が加わった。

川崎ブレイブサンダースでは16-17季に準優勝、昨季もプレーオフ準々決勝進出に貢献した。B1とB2の違いを「バスケのIQとフィジカルの強さ」と分析。開幕後の修正能力の高さも挙げた。秋田が最高峰リーグで戦い抜くために、さらに何が必要なのか-。「コミュニケーション。B1レベルでは1人の力では勝てないことを学んできた」と即答。ペップHCの教えを全員が助け合って理解し、コート内外で修正し合い、出場している5人の力を6、7人分にすること。「何でできないんだ? ではなく、できないところをカバーして長所を生かす。自分もアドバイスして助けになりたい」。経験値を還元している。

秋田の戦う姿勢や、ブースターを含めた一体感にほれて移籍を決断した。「ペップHCのバスケは特殊。状況に合わせるのではなく、同じ守り方を徹底。チーム全員で高め合っていけばB1でも通用すると思う。自分も近道せず、ちょっとずつアジャストしていきたい」。野本の高さと速さと経験値が、秋田の躍進を導く。【鎌田直秀】