世界ランク6位の日本は同9位のドミニカ共和国をフルセットの3-2(25-17、28-26、22-25、25-27、1511)で退け、2位リーグを白星でスタートした。

1次リーグから通算5勝1敗。ドミニカ共和国は3勝3敗となった。

日本は第1セット立ち上がりにリードを許したが、6連続得点で逆転し、黒後愛(東レ)の強打、奥村麻依(ナコンラチャシマ)のブロックなどで先取。第2セットは古賀紗理那(NEC)のスパイク、ブロックと粘り強いレシーブで競りった。第3、4セットは相手の高さとパワーの前に競り負けたが、最終セットは交代出場の長岡望悠、石井優希(ともに久光製薬)が強打とサーブで流れを変え、勝ちきった。

E組8チーム中、3チームしか3次リーグに進めない厳しい戦いを前に、日本を率いる中田久美監督は「最低でも3勝1敗」と目標を掲げた。3戦目にリオ五輪銀メダルのセルビア、4戦目に世界ランク4位のブラジル戦が控えるだけに、この日のドミニカ共和国戦は絶対に落とせない試合だった。

好調な攻撃陣を引き立てるのが、セッター田代佳奈美(ブカレスト)だ。現役時代に「天才セッター」と称された中田監督の下、悔しさをエネルギーに今大会で司令塔役を担っている。リオ五輪代表メンバーに名を連ねたが、宮下遥(岡山)の控え。捲土(けんど)重来を期した昨年は代表にも呼ばれなかった。「リオで悔しい思いをして、やってやるという気持ちだった去年はメンバーにも入れなかった。代表で絶対に私が最後までトスを上げきるという気持ちで練習してきました」。

田代は今年になって代表に復帰した。中田監督は5~6月のネーションズリーグ、8月のアジア大会でセッターを固定しなかった。冨永こよみ(上尾メディックス)佐藤美弥(日立)との競争が続いたが、今年集大成の大会で田代は冨永とともにメンバー入り。開幕と同時に先発出場を続けている。当初はコンビミス、トスの乱れもあったが、試合を重ねるごとに修正。中田監督も我慢して田代を使い続け、「大事なところでまだトスが乱れるが、相手ブロックを振る技術は持っている。今は田代が軸」と明言する。

「久美さんの思いも背負ってしっかり戦う。託してもらっているからこそ、結果にこだわりたい」と田代。日本が世界と戦うには、多彩な攻撃を自在に操るセッターの存在が必要不可欠。名セッターの系譜を引き継ごうとする田代の成長が、日本の躍進につながる。