男子2回戦から登場の雄物川(秋田)が2-1のフルセットで日本航空(山梨)を振り切り、4強に入った14年以来5年ぶりの初戦突破を決めた。レフト栗田陸と渡辺虎央(こう)の3年生ダブルエースが要所で活躍。元全日本代表で、14年度からチームを率いるOBの宇佐美大輔監督(39)に全国選手権初白星をプレゼントした。

昨年まで、2年連続のフルセット初戦敗退に泣いた雄物川が、フルセットで「三度目の正直」とばかりに、勝った。第2セットを奪われ、最終セットも一時13-14とリードされたが、動じなかった。渡辺が中央から勝ち越しアタックを決め、18点目から4連続得点。最後は栗田主将の左クロスで勝負を決めた。全国高校選手権初勝利の宇佐美監督は「相手のミスにも助けられた。この5年間、勝てるチャンスを逃してきた。1つでも多く試合をしたい」とチーム記録の全国4強以上を目標に掲げた。

1回戦から勝ち上がってきた相手に対し、初戦の硬さは見られなかった。第1セットは7点目から抜け出し、12点差で先取。第2セットは相手のシステム変更に対応し切れず、受け身になったが、最終セットは再び攻めの気持ちを取り戻した。1年時から初戦フルセット負けの悔しさを味わい続けてきた3年生たちが奮起。栗田主将がサービスエース3本を含む計17得点。対角の渡辺も負けじと計16得点をマークした。高橋慶充(3年)と最上颯汰(2年)のセンター2人も要所で活躍。相手ブロックを分散して両サイド攻撃につなげた。緩急をつけた頭脳的アタックを見せた渡辺は「競った場面でもいつも通りのプレーができた」と東京・駿台学園中で全国中学準優勝の経験を生かした。

選手たちは新チーム結成後、1日も休まずに練習を続けた。昨年末は大阪遠征も行い、例年より多く西日本の高校と練習試合を重ね、技術も精神力も高めてきた。今日7日は3回戦と準々決勝のダブルヘッダー。栗田主将は「出だしがカギを握る。最後まで攻める気持ちを忘れずに戦いたい」と西原(沖縄)との3回戦に挑む。【佐々木雄高】