東北勢はすべて姿を消した。1日2試合のこの日、男女を通じて唯一、準々決勝に進出した男子の雄物川(秋田)はストレートで市尼崎(兵庫)に敗れ、5年ぶりの4強進出を逃した。右ひざ故障のレフトエース栗田陸主将(3年)が痛み止めを服用して踏ん張ったが、強豪の壁は厚かった。

反撃が期待された第2セット、一時は16-13とリードしたが、攻守が乱れて8連続失点。栗田主将は「相手の高さとサーブにもやられた」と涙を見せた。それでも、強烈なドライブサーブにバックアタックと大黒柱の活躍。3回戦の西原(沖縄)戦は1人で23得点。最後もチーム最多の11得点を挙げた。宇佐美大輔監督(39)は「エースですから。苦しい場面でも頑張ってくれた」とねぎらった。

現チームは昨年2月の東北新人大会・予選リーグ敗退からスタート。チーム記録に並ぶ全国4強の目標は果たせなかったが、宇佐美監督の夫人が手作りした「執念」の刺しゅう入り鉢巻きで5年ぶりの全国高校選手権勝利から2勝を挙げた。来春、東北福祉大進学予定の栗田主将は「スタメンに入ってもう1度、大きな大会で活躍したい。(鉢巻きは)後輩たちに受け継いでいきます」と、飛躍を託した。【佐々木雄高】