秋田ノーザンハピネッツが、劇的なブザービーターで横浜ビー・コルセアーズを67-65で撃破した。試合終了間際に、オフェンスリバウンドを奪ったカディーム・コールビー(29)が豪快なダンクを決めた瞬間、ホームの歓喜は爆発。一昨年の残留プレーオフで、悲劇のブザービーターでB2降格の引導を渡された相手に、リベンジを果たした。

絶対に負けられない戦いだった。秋田の選手、ブースターの執念が乗り移った、Kコールビーのダンクシュートだった。試合終了を告げるブザーとともにリングへボールが押し込まれると、会場は総立ち。試合後の会見で秋田ペップ・ヘッドコーチ(HC=49)は「総括の前にまずは言わせてください。今日の勝利は非常に大きな意味を持つ。2年前にこの会場にいたブースター、そして4選手にとって感動的な試合になった」とリベンジを強調。秋田にとって、悪夢を振り払う勝利だった。

一昨年5月のB1残留プレーオフ1回戦で横浜と対戦。初戦を落としたが、2戦目を1点差で勝ちタイに戻すと、直後に前後半5分ずつの「第3戦」にもつれこむ。16-14とリードした試合終了寸前、相手にブザービーターの逆転3ポイントシュートを決められ、降格が決まった。白浜僚祐(27)、中山拓哉(24)、保岡龍斗(23)とともに当時を経験した谷口大智主将(28)は、他チームからの誘いもあった中で「降格させておいてチームを出ることは嫌だった。また昇格して、B1で戦えるチームにしなければいけないと思った」と残留。強い思いを胸に1年での復帰を果たした。

第3Q途中で12点をリードしながら、リバウンドで劣勢に立つうちに、シュートの正確性も欠き逆転を許した。ブースターの頭に「悪夢」がよぎったが、選手は決して諦めなかった。4点差から残り2分での大逆転に「負けるという気持ちは一切なかった」と中山は振り返る。3連敗からの2連勝で4位渋谷を射程圏にとらえた。劇的な勝利だが、浮かれてはいない。谷口は「喜んでいいのはここまで。明日勝ってこそ本当の勝利だと思う」。気持ちを切り替え、連勝を目指す。【野上伸悟】