【パリ=吉松忠弘】世界7位の錦織圭(29=日清食品)が、全仏での雪辱に挑む。29日に予定されている2回戦で、元5位で同82位のツォンガ(フランス)と対戦する。ツォンガには、15年全仏準々決勝で敗れたこともあり、相手の地元での雪辱を期す。対戦成績は、錦織の5勝3敗だ。

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15年全仏準々決勝。錦織は、ツォンガに敗れ、4強入り絶好のチャンスを逃した。当時、対戦成績は錦織から4勝1敗。十分に勝てる機会を、全仏センターコートでフルセットで敗れた。「完全に自分を見失ってしまった」と、ショックを隠しきれなかった。

元来、ツォンガとの相性は抜群だった。初対戦だった11年上海マスターズ2回戦。ツォンガがトップ10で、錦織は47位だったにもかかわらず、いきなり白星での発進だった。12年全豪4回戦でも対戦し、錦織が初めて4大大会で8強に入ったときの相手がツォンガだった。

2年ほど前、ツアーで「誰と1番、対戦したくないか?」という問いを、トップ選手にするコーナーがあった。多くの選手がナダルやフェデラーらを上げる中、ツォンガは「錦織」と即答だった。「できるだけ避けたい。ドローで当たるところに名前があるだけで、えーっと思っちゃう」。

そのツォンガは現在82位。18年4月に、左ひざを手術し、約7カ月、戦列から離脱した。今年復帰したが、世界ランクは200位以下まで転落していた。そこから100位以内に戻し、現在、復活途中だ。それでも、錦織は「あのフォアとサーブはトップ。気をつけたい」と警戒する。

錦織がツォンガを得意とするのは、ツォンガがバックを苦手とするからだ。バックを軸に組み立てる錦織は、バック対バックでツォンガに打ち勝てる。「勝つイメージができている」。15年の雪辱は、全仏でしか返せない。

◆WOWOW放送予定 29日午後5時50分から、30日午前0時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス2回戦ほか。生中継。