2020年東京オリンピック(五輪)のマラソンと競歩の会場を札幌に移す案を国際オリンピック委員会(IOC)が発表し一夜明けた17日、大会組織委員会は混乱した状況だ。悩みの種として、販売済みのチケットがある。

組織委の現場レベルは「昨日報道で知った」と話し、今後の対応策について「今は何も分からない状態」と言うしかなかった。今後、チケット払い戻しなどの対応策を検討していかなくてはならないが、単純ではない。

8月9日の男子マラソンは1種目のみのチケットだが、同2日の女子マラソンは複数種目が見られるチケットで、一筋縄にはいかない。最も高いA席が3万円で他に女子ハンマー投げ予選、女子マラソン表彰式、女子3000メートル障害、女子走り幅跳び予選、男子円盤投げ表彰式、女子砲丸投げ決勝、男子400メートル予選、混合4×400メートルリレー表彰式が見られるチケットだった。

この内、女子マラソンだけが札幌になれば、払い戻しをするにせよ、どう切り分けていいか分からないという。仮に「○%払い戻し」という策を取るにしても販売システム上、それができるかも現時点で不明だという。

男子マラソンはA席で6000円、7月31日の男子20キロ競歩、8月7日の女子20キロ競歩、同8日の男子50キロ競歩の3種目は沿道から観戦できるためチケット販売はなかった。

組織委は8日に突如、10日に予定していた五輪チケット2次抽選販売の記者発表を無期延期にした。理由はかたくなに開示しなかった。しかし、現場レベルには延期理由は伝えられておらず、急転直下、16日の報道とIOC発表で知ることになった。