強化体制などを巡って選手との対立が表面化している全日本テコンドー協会で、組織体制の刷新を訴えていた高橋美穂理事が25日、辞任届を提出した。92年バルセロナ五輪代表で、アスリート委員長も務めた高橋氏は、選手ファーストを訴え、混乱を招いた金原会長の責任を問い続けていた。

全日本テコンドー協会は28日の理事会で、金原会長を含む全理事の辞任を審議する。しかし、現体制を継続したい金原会長が権力を維持し、再び要職に就く可能性もある。高橋氏は「金原派の再任を望まない」とし、「外部有識者の皆様には選手のために必要な人材の選考をお願いしたい」と強調した。

8日の理事会では4時間の予定が議論が紛糾して、6時間半に延長された。協会側の改革を訴えた高橋氏は気分が悪くなり倒れ、救急車で搬送された。それほど本気の願いだった。

全日本テコンドー協会を巡っては、多くのトップ選手が強化体制への不満を募らせ、代表合宿を辞退するなど混乱状態にある。また一連の騒動を受け、撤退するスポンサーも出ている。日本オリンピック委員会(JOC)からも早急な組織の整備を要請されている。