静岡聖光学院が2年連続で白星発進した。名護(沖縄)に36-12で快勝。鋭い出足で相手の攻撃を封じると、FW戦でも優位に進め、効果的にトライを重ねた。1年間磨いてきた鉄壁の守備を全国舞台で発揮。過去に2度県勢が敗れていた難敵を下し、2回戦進出を決めた。30日は第1グラウンドで昨年4強の強豪・流通経大柏(千葉)と対戦する。

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静岡聖光学院の「高速タックル」が次々と決まった。足を使った攻撃を得意とする相手を徹底分析。走られる前につぶすことで長所を消した。ボール保持者に鋭いタックルを仕掛け、ミスを誘発。奪ったボールをFW陣中心に運び、トライを重ねた。前半はラックとモールで押し込んだ状況から4トライ。理想の勝利に、佐々木陽平監督(42)は「いい守備から攻撃につなげられた」とうなずいた。

1年間の成果を発揮した。主将のCTB大西馨汰(けいた、3年)は「今年は特に守備を練習してきた。前に出てプレッシャーをかけ続けられました」。意識したのは無駄がない動きからのタックル。通称「SAT(サット)」だ。

年代別日本代表も指導する同校の里大輔コーチが考えたという「SAT」は、守備時に素早く動くために無駄な動作を排除した姿勢のこと。大西馨は「片腕は上げて、足は一歩下げている状態。陸上で例えればクラウチングスタートみたいなものです」。選手個々が意識する「半歩でも早く動きだす」出足の積み重ねで、相手に自由を与えなかった。

佐々木監督も「名護にとっては感じたことがない間合いだったんじゃないか」と手応えを口にした。2回戦は昨年4強の流通経大柏と対戦する。会場はメインの第1グラウンド。この日2トライを挙げたプロップ大西響汰(3年)は「1年間やってきた守備を出して勝ちたいです」と意気込んだ。目標は同校初のシード校撃破。難敵にもひるまずぶつかっていく。【神谷亮磨】