日本卓球協会は6日、都内で会見を開き、男女各3人の東京オリンピック(五輪)代表を発表した。注目の団体要員となる3人目には女子が初出場となる平野美宇(19=日本生命)、男子は4大会連続となる水谷隼(30=木下グループ)を選出。予定されていなかった混合ダブルスのペアもサプライズ発表され、水谷と伊藤美誠(19=スターツ)に決まった。

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団体要員として水谷、平野が順当に選ばれた。男子は吉村真晴、女子はカットマンの佐藤瞳が候補として浮上していた。吉村は世界ランキングで日本人7番目の52位だがダブルスの評価が高い。五輪団体戦でエース張本を、シングルス2戦に起用した場合、丹羽、水谷は左利き同士のペアになってしまう。利き手が同じダブルスは動きが制約され不利とされている。

しかし、水谷を選び「左左」になった。強化関係者は「相手によっては張本、丹羽をダブルス、水谷をエース使いにすることもある」と語った。決め手は代表3人のランキングで決まる団体戦のシード。現在、日本男子は中国、ドイツに続く3位だ。優勝候補の中国と決勝まで当たらない第2シード獲得には個人ランキングが重要で、16位水谷と52位吉村では大きな差があった。

女子の佐藤は昨年、リオデジャネイロ五輪女子シングルス金メダルの丁寧(中国)に連勝。協会関係者の中では丁寧の代表選出を想定し、本気で打倒・中国を目指すなら佐藤という声も出た。しかし、カットマンと前陣速攻型がダブルスを組むのは困難。女子の馬場美香監督は「平野はシングルスもダブルスも活躍できる。3人全員のペアを対戦国によって替えられる」と、組み合わせの柔軟性も加味して平野を選んだ。