女子の古川学園(宮城)が3-2で共栄学園(東京第3)に逆転勝ちし、9大会ぶり8度目、現校名では初の決勝進出を決めた。

第1セットを先取され、逆転後はフルセットに持ち込まれたが、チーム一丸のコンビバレーを展開。オポジットのキューバ人留学生、バルデス・メリーサ(2年)がバックアタック6本を含む38得点(ブロック4点含む)を挙げ、ミドルブロッカー上沢沙織主将(3年)もブロック5本を含む10得点で勝利に貢献した。

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古川学園が新たな歴史に王手をかけた。高校選手権が1月開催になった11年以来のファイナル進出。第5セットのマッチポイント、ライトからメリーサの連続アタックで勝負を決め、選手たちは抱きあって喜びを爆発させた。岡崎典生監督(51)は「実力は紙一重。1セット目は硬かったが、2セット目からサーブレシーブも良くなりブロックも機能した」と勝因を挙げた。

7日の準々決勝(八王子実践)に続き、東京代表との連続「アウェー戦」を制した。第1セットはメリーサのアタックがブロックにつかまるなどリズムを崩して失ったが、第2セットから本領発揮。上沢主将のサーブとメリーサの連続バックアタックで勝ち越しの10点目から5連続得点を挙げた。第3セットもメリーサのバックアタックで勝ち越し、上沢主将の速攻などで逃げ切った。最終セットは昨年まで足りなかった精神力も発揮。1度もリードを許さず逃げ切った。メリーサは今大会5戦で計105得点を挙げ、この日はサーブレシーブの成功率でも64・3%と安定。「(第1セットの)最初は危なかった。2セット目からブロックもレシーブも良くなり、ベストプレーができた。みんな見ているのでやりがいがある」と自身初のセンターコートで勝利に貢献した。

今春、V・プレミアリーグ日立入りが内定する上沢主将も発奮した。応援席では伯父の大相撲・峰崎親方(63=元関脇・三杉磯、青森県出身)も1回戦から観戦。今日12日からの初場所を前に「粘って戦い寄り切った。明日は来られないが勢いがつく」と弟子の元前頭、西幕下48枚目荒鷲の活躍にも期待した。

決勝は再び因縁マッチ。前回決勝進出時に敗れた東九州龍谷(大分)と戦う。10年3月で終了した選抜優勝大会(旧春高バレー)を含め、全国決勝では5連敗中。岡崎監督は「久しぶりだから緊張していない」。決勝の「土俵」に上がった上村主将は、「押して押して押し出したい。先輩たちの悔しさを晴らして日本一になりたい」と、10年夏の全国総体以来となる王座奪還を誓った。【佐々木雄高】