ラグビー日本代表歴代最多の98キャップを誇る、ロック大野均(42=東芝)の現役引退を受け、親交の深い友人の竹内秀夫さん(55)が感謝の言葉を伝えた。

京王線府中駅近くに竹内さんが営む和食店「和楽酔竹」がある。大野は後輩たちを連れて、10年以上通い続けた。常連客らともに酒を酌み交わし、語り合った。引退発表前日に本人から連絡を受けた竹内さんは「今は寂しい気持ちしかないね。ラグビーを知らないお客さんもみんな均(キン)ちゃんファンで『大野教』だったから余計ね…。沢山の思い出を本当にありがとう」と、感謝の気持ちを伝えた。

竹内さんが作る旬の食材を使ったお任せ料理を酒のあてに、42歳の酒豪は自ら酒をつくることもあった。「“雑食性”だから何でも食べるし、何でも飲む。酒は本当に強い。勝手に飲んじゃうこともあるし、お客さんも巻き込んで『飲もう、飲もう』になるから、自然と均ちゃんの周りには人が寄るんだよ。その言葉1つ1つが優しいし、思いやりもある。自分も含めてだけど、ラグビー選手というよりも、みんな大野均の人間性にほれてるんだよ」。

現在、同店は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テークアウト(持ち帰り)販売のみ実施している。大野は22日の引退会見で、今後は会社に残って、東芝に恩返しできる活動をしながら日本ラグビー界に貢献する考えを明かした。「次の人生も均ちゃんらしく、豪快に歩んでもらいたいね。コロナが収束したら、店でゆっくり一杯やろう。19年間の現役生活、本当にお疲れさまでした」。竹内さんは、ラグビー界の鉄人へこうメッセージを送った。【峯岸佑樹】