フィギュアスケートの全日本シニア合宿が21日、大阪府内で公開され、男子の山本草太(20=中京大)が取材に応じた。

今年に入り、拠点を名古屋から関西に移した。大阪府出身で、地元に戻る形となった理由について「全日本選手権の後、すごく、何か大きく変えなきゃいけないなと感じて。今までは自分自身。でも少しは先生に頼ろうという気持ちが芽生えてきて、関西に戻ってきました。気持ちの変化は大きいですし、こういう前向きな気持ちで試合にも臨みたいなと。すべてのエレメンツを磨き直しています」と説明した。

12-13年シーズンから名古屋に移住し、練習を重ねてきた。ジュニア時代から世界の第一線で活躍。右足首の骨折など、たび重なるけがにも諦めることなく、1歩、1歩と復活への道を進んできた。昨年末の全日本選手権は7位。拠点変更は、さらなる成長のためだった。中京大も休学中。さらなるスケート集中のためだった。

新型コロナウイルスの影響で5月下旬からの練習の再開となったが「(大けがで)もっと長期間、休まなければいけない時期もあったので、自分の中では特に」と動じなかった。一方でプログラムを変えて心機一転。ショートプログラム(SP)、フリーともに新しくする。「SPは黒い瞳、フリーはドラゴン。両方、宮本賢二先生の振り付けです」「ショートは、華やかなプログラムという1つのテーマに合わせ、振り付けも編集もしていただいた。きらびやかで華やかなイメージで滑りたい。フリーはノービスAの1、2年目に使っていた曲。8年越しに滑ることになるんですけど、編集も振り付けも変わっているので、また違うドラゴンを表現したいなと思います」と説明した。

新たなジャンプについては「2月に4回転ループは取り組んだんですけど、向いてないとなって」と明かし「4回転はフリップ、ルッツに取り組もうかなと思っています。軌道を変えた3回転で、4回転をイメージしながら」鍛錬を続けている。

最後に、今季の意気込みを問われ「試合数も減っていく中、どの試合に出られるか分からない。出られる試合も限られてくるので、1つ1つ大切にしながら、楽しみながら全力で頑張っていきたい」。そう22年の北京オリンピック(五輪)を見据えた。