永井優香(21=早大)がラストシーズン初戦を完全優勝で飾った。

前日のショートプログラム(SP)を61・08点で首位発進し、この日も全体トップの110・11点をマーク。合計171・19点で東京を制した。

冒頭の流麗なルッツをはじめ、サルコーとトーループも含めた3種3本の3回転ジャンプを決め、得点が1・1倍になる後半もダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループなどを降りた。「何とか耐えた。今日の収穫は『やればできる』ことが分かったこと」と納得した。

「自分の中でフィギュアスケートは精いっぱいやったかな」との思いがあり、大学卒業に合わせて引退する。一般企業に就職。その前に、スケート人生の集大成として全日本選手権(12月、長野)を目指す。

最後のフリー曲に選んだのは、ジュニアながら14年の全日本で4位に入った時の「エデンの東」だった。「曲に対して、すごくいいイメージがある。スケート人生を振り返ると、この曲をSPで使った時に飛躍できた。なので、もう1回、気持ちよく滑りたい」。

15年にはスケートカナダで3位と躍進。その後は山あり谷ありの人生を経験し「(ジュニア時代とは)いろいろ変わったなと思います。あのころは、あのころなりに、いろいろスケートで悩むこともあったけど、今はもっと重みがある。経験をしてきた分の気持ちで今は滑っている」と心境を口にした。

東日本選手権(11月6~8日、山梨・小瀬)へトップ通過し、全日本へ前進した。あらためて最後のシーズンへ「14年間、お疲れさまと言いたいです。大切な人に出会ったり、いろんなうれしいこと、つらいことや、たくさんの経験をできました」。ゴールまで、あと少し。「練習をしっかり積んで自信を持って次へ。ジャンプを跳ぶことだけに集中するのではなく(無観客のため)画面越しに自分の思いを伝えられるような演技をしたい。たくさんの方に支えてもらって、応援してもらったので。『ありがとう』という気持ちを持って滑りたい」と笑顔でネクストステージへ進んだ。【木下淳】