兵庫県宝塚市の中学校で柔道部員の男子生徒2人に寝技などをかけて重軽傷を負わせたとして、顧問の上野宝博容疑者(50)が兵庫県警宝塚署に傷害容疑で逮捕されたことを受け、全日本柔道連盟(全柔連)は19日、調査に乗り出すことを明らかにした。

全柔連の中里壮也専務理事がオンライン取材に応じ、「なるべく早く調査に取りかかりたい」と説明。コンプライアンス委員会を中心とした調査委員会を立ち上げ、事務局も連携して調査を進めるという。

上野容疑者は9月25日夕、柔道部の1年生の男子生徒2人が冷凍庫で保管していた差入れのアイスキャンディーを食べたとして激高。他生徒らの前で投げ技や寝技を連発した。うち1人には失神させた後に平手打ちで目を覚まさせ、さらに技をかけるなどして背骨を圧迫骨折させた。もう1人にはめがねを外させ、寝技を繰り返し、首や腰に軽傷を負わせた。現場にいた40代の副顧問は、上野容疑者の恐ろしさを感じて止められなかったという。

上野容疑者は別の中学にいた時に3件の体罰で2度処分を受けていた。現在は、兵庫県警に身柄を拘束されているため、中里専務は「制約がある中でいろいろと調べていく。加害者にも人権があるのでしっかり手順を追いたい」と慎重に取り組む考えを示した。【峯岸佑樹】