本田真凜(19=JAL)が12月の全日本選手権(長野)に駒を進めた。93・70点の合計144・11点で予選を通過した。

前日6日のショートプログラム(SP)は50・41点の8位。納得いかず「スケートって難しいな、もし全日本に出場できないなら何のためにスケートをしているんだろう。そう考えて、ものすごく落ち込んで。昨日はずっと泣き続けていました」と明かした。

一夜明けたフリー。先月の東京選手権では使用曲の提出を間違えるハプニングがあったが、昨季から継続する「ラ・ラ・ランド」が無事に流れ、輝く青の衣装で舞い始める。冒頭の3回転フリップは転倒し、次の3回転フリップも両足着氷となった。これ以上の失敗は全日本の出場可否に直結する。

「怖かった。最初に2つミスした時、僅差で全日本に行けるか行かないか、になるかなと思って覚悟が決まりました」

その後は無難にまとめていく。3回転サルコーを決めると、3回転トーループ-2回転トーループ、3回転ループ-2回転トーループ、3回転トーループ-1回転オイラー-2回転サルコーと連続ジャンプを成功させる。最後はダブルアクセル(2回転半)で締めくくり、7人を残した段階で暫定3位。全日本の出場権を得て「本当にホッとしました。」と笑顔を見せた。

例年はグランプリ(GP)シリーズに出場。「予選から出たのは久しぶりで、何位までが通過できて、ってのを考えたのも久しぶりで。それが嫌だった。(妹の)望結が一緒に全日本に出場したい、と言ってくれていた。自分が引っ張っていかないといけない。なのに、ボーダーラインを意識しているのが嫌でした」と苦しんでいた。

乗り越えて、今季がラストシーズンの兄太一(22=関大)が待つ全日本の舞台へ、6年連続で進出。「全日本では、お兄ちゃんの点数に勝ちたい」。真凜スマイルを取り戻した。【木下淳】