10月の全日本ノービス選手権で優勝し、推薦で初出場した12歳の島田麻央(木下アカデミー)が3位になった。ノービス(12歳以下)では2000年の安藤美姫(3位)以来20年ぶりの表彰台に「乗れると思ってなくてびっくりしているのとうれしいです」と笑顔をみせた。

前日のショートプログラム(SP)6位で勝ち取った最終組。その第1滑走で登場すると、黄色い鮮やかな衣装で舞い踊った。飛び級とは思えない質の高さのノーミス演技で、すべてのジャンプを成功させた。

ノービスとジュニアの違いについて「スケーティングとか、大きいお姉さん達はすごい。負けないように頑張ります」と、あどけなく話していた小学6年生。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)挑戦を回避したことで安定感が増し「ジュピター」の3分30秒間を納得の出来で演じ切った。

跳んだジャンプは以下の通り。

1 ダブルアクセル(2回転半)

2 3回転ルッツ-3回転トーループ

3 3回転ループ

4 3回転フリップ

5 3回転サルコー-3回転トーループ

6 ダブルアクセル-2回転トーループ-2回転ループ

7 3回転ルッツ(タノ)

SP57・89点(6位)

フリー115・55点(3位)

合計173・44点(3位)

2008年(平20)10月30日生まれ、5歳で競技を始めた。母の歩さんが浅田真央さんの大ファンで名づけられ、もちろん本人も「憧れの選手は浅田真央さん」だ。昨年まで東京・明治神宮外苑FSCに所属していたが、今年から京都・宇治に専用練習場を持つ木下アカデミーに拠点を移し、浜田美栄コーチの下で少数精鋭の指導を受けている。母と妹ともに移住した。将来の夢は「オリンピック(五輪)で金メダルを取って、憧れられる選手になることです」。26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の星として期待される「麻央ちゃん」。将来の目標を聞かれると「浅田真央選手みたいに、自分で笑顔で滑るのももちろんで、見ている人も笑顔にできるようになりたいです!」と声を弾ませた。歴代メダリストの登竜門となっている全日本ジュニアの歴史に名を刻み、輝かしい未来へと進む。【木下淳】