整氷中に行われたトークショー「スケーターさん、いらっしゃい」に、男子優勝の鍵山優真(17=星槎国際高横浜)と同5位の佐藤駿(16=フジ・コーポレーション)が登場した。

20年ユース五輪(オリンピック)金メダリストの鍵山と、19年ジュニアGPファイナル王者の佐藤。幼少時から刺激を与え合ってきた同学年がそろってマイクを握った。

日本男子初のGPデビュー戦Vを達成した鍵山は「SP(ショートプログラム)もフリーもミスはあったんですけど、最小限に抑えることができて、まあまあうまくいったんじゃないかなと思います。(すべて成功させた)4回転は練習から自信があったので、練習通り決められて良かったです」と振り返った。

父で五輪2大会出場の正和コーチ(49)からは「一言で『よく頑張ったな』と言われました」と褒められたことを明かした。正和氏が現役時代、NHK杯に出場していた時の映像が流れると「転びそうなのに転ばないところがすごいですね」と笑わせた。普段については「細かいところまでしっかり指導してくれるのでありがたいです」と感謝した。

不完全燃焼に終わった佐藤は「SP、フリーともに力が入りすぎた印象です。ただ、最初の(4回転)ルッツを失敗した後、しっかりまとめることができたことは良かったかなと思います。練習では完成度が高いんですけど、試合だと難しい。チャレンジして、試合でも100%跳べるようにしたい」と切り替えた。

演技前、ペットボトルのキャップでキャッチボールするオフショット動画も流れ、鍵山は「普通のボールより難しくて…楽しかったです(笑い)。こういう時だけ。試合前はお互いに集中しないといけないんですけど、今日はエキシビションなので、楽しく」と仲の良さを見せた。

今後の目標については、鍵山が「オールラウンダー」と色紙に書き込んだ。「ジャンプだけじゃなくスピンもステップも表現力も、すべてが完璧と言われるような選手になりたいのでオールラウンダーにしました」と説明した。佐藤は「安定感」とし「自分に足りないのは1つ1つの試合での安定感で、大きな課題になっているので。今後、安定した演技ができるように頑張りたい」と意気込んだ。

ともにシニア転向1年目で、NHK杯でGPデビューした2人は今後、全日本選手権(12月24~27日、長野・ビッグハット)に出場する。【木下淳】