桐蔭学園(神奈川)が、昨年の決勝を争った御所実(奈良)から計8トライを奪い、50-7と完勝した。4強入りを果たし、2連覇まであと2勝と迫った。

関東勢は、流通経大柏(千葉)が大阪朝鮮高(大阪第2)に10-14と惜敗した。抽選の結果、5日の準決勝は、桐蔭学園-大阪朝鮮高、京都成章(京都)-東福岡(福岡第1)の顔合わせに決まった。

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準々決勝で早くも昨年の決勝カードになったが、連覇を狙う桐蔭学園が難敵を圧倒した。御所実得意のモールを封じ、わずか1トライに抑えた。NO8佐藤健次主将は「規律を守るというテーマでしたが、ペナルティーを少なくして自分たちのやりたいラグビーができた」と試合ぶりに満足した。

前半8分、ロックの小椋健介(2年)が中央に先制トライ。同11分には御所実のお株を奪うモールで押し込み、最後はフランカーの粟飯原謙(3年)が飛び込んだ。佐藤主将は「モールの中でもよくコミュニケーションが取れていたことが、トライにつながった」。前半25分には自陣中央から大きく前進し、FB矢崎由高(1年)のトライをアシストするなど好プレーを披露。後半も勢いは衰えず、4トライを積み重ねた。

試合前日のミーティングでは、必要以上に相手を脅威に感じる選手もいた。本番ではモールをしのぎ、攻めの姿勢を最後まで貫いた。我慢比べを制した。藤原秀之監督は「ボールを積極的に動かし、プラン通りの戦いだった」と振り返った。

試合を重ねるごとに、チームの完成度は上がっている。準決勝で戦う大阪朝鮮高は堅守が特徴。日本代表のFB松島幸太郎(27)らを擁した90回大会(2010年度)準決勝では、21-10と勝利した。指揮官は「どれだけリカバリーできるか分からないが、少しでも良い状態でやらせたい」。連覇に向けて気負いはない。【平山連】