女子決勝は、北海道銀行が18年ピョンチャン・オリンピック(平昌五輪)銅の本橋麻里(34)がスキップを務めるLS北見(ロコ・ステラ)を7-2で下し2年ぶり5度目の優勝。22年北京五輪代表選考を兼ねた日本選手権(2月7日、稚内市)出場を決めた。昨年10月に元日本ハムコーチ白井一幸氏(59)がメンタルコーチに就任。ポジティブシンキングで、負けられない五輪ロードを突き進む。

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笑う門には福来る。優勝で日本選手権出場切符をつかんだ北海道銀行の選手たちは輪になって喜びを分かち合った。予選から計8戦全勝で北海道選手権を制した。スキップ吉村紗也香(28)は「優勝で気持ち的にはほっとしている。日本選手権まで残り1カ月。優勝に向けて準備をしていきたい」。喜びと同時に目線は全国舞台に移っている。

「大好きハート」。LS北見との決勝前、今季新加入のフィフス伊藤彩未(19)からアイスに立つ選手1人1人に告げられた。氷上に立つ4人だけではなく、チームとして一丸になった。有利な後攻の第2エンド(E)で2点を先取すると、不利な先行の第3、4、6Eで1点スチールに成功。5点差がついた第9E終了後に相手が負けを認めて決着がついた。

過酷な五輪ロードを戦うため意識改革の途上だ。昨秋に白井氏がメンタルコーチに就任。日本ハムで2度の日本一を知る同コーチは「緊張感が高まれば高まるほど、良いプレーができるチームになっている」。試合前の伊藤の声掛けも具体的な言葉を伝えるように改善。緊張した際の呼吸の取り方や日常生活を含めたルーティンも見直した。サード小野寺佳歩(29)が「三振してもこれ以上悪いミスはないという話から全てをプラスに変える思考を教わった」と言えば、セカンド近江谷杏菜(31)は「緊張を受け入れて楽しむことで自分たちのプレーが伸び伸びできた」と振り返った。

北京五輪に出場するには昨年3位だった日本選手権優勝が絶対条件だ。コロナ禍のため北見市内で調整を続けていく予定だ。吉村は「日本選手権で勝ちきるために1戦1戦勝ちにこだわって、みんなで良いショットをつなげて頑張っていきたい」。精神的にも成長した新生北海道銀行が14年ソチ以来2大会ぶりの五輪出場を目指す。【浅水友輝】

◆カーリング北京五輪への道 今春の世界選手権で出場枠を獲得すれば、20、21年の日本選手権連覇チームが代表に内定する。連覇チームがいなければ、今年5月下旬~6月上旬に稚内市で開催予定の代表決定戦で、20、21年日本選手権優勝チームにワールドカーリングツアー(WCT)最上位チームを加えた3チーム(WCT最上位と日本選手権優勝チームが同一の場合は2チーム)で争う。コロナ禍で2月の日本選手権が中止となった場合は、昨年の日本選手権4強(男子はコンサドーレ、TM軽井沢、SC軽井沢ク、名寄市役所、女子はロコ・ソラーレ、中部電力、北海道銀行、富士急)で代表決定戦を行う。