渡辺倫果(青森山田3年)が5位で最後のインターハイを終えた。

ショートプログラム(SP)はジャンプにミスが出て8位と出遅れたが、フリーは101・10点で3位。冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループで回転不足を取られ、3回転フリップは踏み切り違反と小さなエラーが続いたが、最後のダブルアクセル(2回転半)と3回転サルコーを成功させるなど、諦めない演技で合計153・15点とし、総合5位に順位を押し上げた。

中学3年からカナダ・バンクーバーを拠点にしてきたが、コロナ禍で長期帰国を余儀なくされている。前日23日のSP後には「27日に国境閉鎖が解除されるはずだったんですが、2月21日まで延びてしまって…」と、まだ出国のメドが立たないことを明かしていた。その間は京都の木下アカデミーに出稽古し、練習してきた。

同アカデミーには小学生でトリプルアクセル(3回転半)や4回転ジャンプを跳ぶ選手がおり「高いモチベーションを維持できる環境」という。浜田美栄コーチの臨時指導も受け、国内でスケーティング技術を磨いた。

過去2年は一時帰国して出場し、8位入賞が最高だった。自己ベストを更新する5位で、納得の笑顔を見せた。卒業後は大学の通信制で学びながら、時機を見て再びカナダへ渡るつもりだ。【木下淳】