秋田ノーザンハピネッツが川崎ブレイブサンダースを15点差で下し、今年ホーム初勝利を飾った。さらに、16年のリーグ発足以来、これが川崎から初めての勝ち星。順位を1つ上げ5位に浮上した。初物ずくめの今季19勝目は、B1リーグではチーム最多タイの勝利数となった。細谷将司(31)が18得点、4アシストの活躍でMVPに輝いた。

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過去5戦5敗の川崎から、ついに初勝利を収めた。第1クオーター(Q)前半にコールビーのダンクシュートを含む連続得点で火が付くと、終盤には細谷の連続3Pも飛び出し、前日(23日)と同じ9点リードで終える。

同じ失敗は繰り返さない。前日は第2Qに逆転されると、そのまま失速。挽回できないまま13点差で敗れた。ふがいない決着に試合後、前田顕蔵ヘッドコーチ(HC、38)は厳しく、選手を鼓舞したという。そのゲキが効いたのか、この日は第2Q以降、相手を圧倒した。持ち味の激しいディフェンスから流れを作り、前日に27本中6本だった3Pの成功数は、28本中13本と2倍以上を記録。細谷は「空いたら打つことを意識していた。昨日、負けて悔しかったので、そういう姿勢を出して勢いを与えられた」と喜んだ。

試合後のインタビューで指揮官が「秋田の歴史で川崎を倒したことがなかったので、ホームでみなさんと一緒に勝ちを取れて良かったと思います」と言うと、最大の武器である声を出せないクレイジーピンクは、熱い拍手で応えた。

B1チーム最多記録の20勝目をかけ、次戦(27日)はホームで北海道と対戦する。ここまでの29試合中27試合に出場した、主力のPG伊藤駿(30)が欠場し苦しい状況だが、同じPGの細谷は「駿が戻ってくる時に、よりチーム力はアップしている確信はあるので、駿が戻ってくるまで頑張っていきたい」。強豪・川崎からの初勝利で、目標のチャンピオンシップ進出へ、確かな自信がついた。【相沢孔志】