レスリング男子フリースタイル65kg級で東京五輪代表の乙黒拓斗(22)が15日、山梨学院大の卒業式に出席した。

卒業証書を手に「いろいろな経験をできた。屈辱を味わうこともありましたが、コーチや法学部の先生の救いの手があった。4年間で全部が成長した」と誇らしげに振り返った。

18年世界選手権を日本勢史上最年少で制した才能。19年世界選手権では試合中に冷静さを欠き、判定にいらだち、3位決定戦で敗れた経験もあった。技術、体力は階級随一で、本人も認める課題はメンタルにあった。

新型コロナウイルスで東京五輪が延期になったこの1年でも、重視したのはメンタルトレーニングだったという。「負けた試合を見たり。冷静さや状況判断が良くなったと思う」と成果を感じている。試合は昨年2月のアジア選手権以来遠ざかるため、2連覇がかかる4月の同大会が久々の実践機会となる。

熱心な乃木坂46のファンで、推しは白石麻衣だった。「卒業」つながりで話題を振られると、「もちろん好きなんですけど、前よりは時間がなくて…」。コロナ禍で従来よりさらに競技に打ち込む時間が増したそうで、「できる限り(応援は)頑張ってます。前より熱がないというより、レスリングに熱を入れています」と説明した。

4月からは同じく東京五輪代表のフリー74キロ級の兄圭祐と同じ自衛隊に入隊する。「厳しい環境に身を置きたかった」と、企業からの誘いも多い中で決断した。1年延びても、目標は東京五輪の金メダルで変わらない。自信を聞かれると「あります!」。この日一番弾んだ声を響かせていた。