女子テニスで、世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が27日、自身のSNSを更新し、30日に開幕する4大大会、全仏オープン(パリ)の期間中、「心のケアを無視しているため、報道に関するいっさいの活動を行わない」と記者会見拒否を宣言した。

テニスのプロツアーは、選手に、プロとして多くの義務を課す。大会期間中に、ファンサービスや報道陣に対する活動も、事細かく決められており、違反すると罰金が科されるシステムだ。それは、プロ選手は、ファン、スポンサー、メディアなどに支えられているという発想から生まれたシステムだ。

例えば、記者会見の罰金だ。グランドスラム・ルールブック(4大大会規則集)には、「選手およびチームは、けがや身体的な理由ではない限り、勝敗に関係なく、可能ならば試合後30分以内に会見を行わなくてはならない。試合後に行う時間は、レフェリーおよび適当な理由がある限り、伸ばすことはできる」。大会前も「シングルスの本戦の選手は、大会開幕の2日前から、要請があれば、会見を開かなくてはならない」と規定されている。そして、これに違反した場合は「最大2万ドル(約220万円)の罰金が科される」とある。

 

◆過去の主な会見拒否 日本では94年2月の東レ・パンパシフィックオープンで、宮城ナナとのペアでダブルス1回戦に勝利した伊達公子が、試合後の会見を拒否した。全豪オープンで4強入りした直後の帰国初戦で心身の疲労がピークだったためだが、WTAは750ドル(当時のレートで8万2500円)の罰金を科した。4大大会では16年の全豪で1回戦で敗れたビーナス・ウィリアムズ(米国)が会見を拒否して5000ドル(同約59万円)の罰金制裁を受けた。