ニッカンスポーツ・コムでは8日、18日、28日の「8」がつく日に、NBAウィザーズの八村塁(23)やリーグに関する話題を連載している。第6回は、ウィザーズが現在プレーオフ1回戦を争っているセブンティシクサーズについて紹介する。

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まだ2試合が終わったところだが、早くもその実力を示している。レギュラーシーズンを東地区1位の49勝23敗で終え、第1シードでプレーオフに進出してきたセブンティシクサーズ。シーズン終盤に上昇曲線を描いてきたウィザーズに対し、23日(日本時間24日)の第1戦は、接戦に持ちまれたものの最後は地力を誇示して先勝。そして26日(同27日)の第2戦では、25点差の大差を付けて圧勝した。

チームの大黒柱が、カメルーン出身のジョエル・エンビード(27)だ。213センチの大型プレーヤーで、今季はリーグ4位、自己最多となる平均28・5得点をマーク。ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)、ステフィン・カリー(ウォリアーズ)とともに、シーズンMVPの最終候補3選手にノミネートされている。

リーグ屈指のビッグマンと評価されるエンビードだが、高さだけではなく、プレーの質も進化している。フィールドゴール成功率は自身初めて50パーセントを上回るなど、今季は精度が向上。27日には両チーム最多3本の3点シュートを沈め、スタンドからの「M・V・P」コールに両手を挙げて応えるシーンも見られた。

オーストラリア出身のベン・シモンズ(24)は、211センチの司令塔としてチームをけん引する。27日の試合では22得点、9リバウンド、8アシストを記録するなど、マルチに活躍できるプレーヤー。ディフェンス能力にも定評があり、今シーズンの最優秀守備選手賞に推す声も多い。今回のプレーオフでも相手の得点源であるウエストブルックにぴたりと張り付いてミスを誘うなど、持ち味を存分に発揮している。

トバイアス・ハリス(28)のスコアリング能力も高い。第1戦には両チーム最多37得点をマークした。米全国紙『USA TODAY』によれば、19点を挙げた第2戦のあと、エンビードが「今季の彼はずっと素晴らしい。積極的で、効率的な役割を果たしている」と称え、シモンズは「彼はエリート・スコアラーだ」と表現。人柄もよく、ロッカールームではチームのまとめ役となっているようだ。

ほかにも経験豊富なダニー・グリーンや、高いシュート力を持つセス・カリー、現役最多の通算リバウンド数を誇るドワイト・ハワードらが健在。第2戦では20分足らずで4スチール、5ブロックを記録したマティス・サイブルなど、伸び盛りの若手も控える。

アレン・アイバーソンらが活躍した01年以来20年ぶりのファイナル進出へ、そして83年以来4度目のリーグ制覇へ。今シーズンから指揮を執るドック・リバース監督のもと、シクサーズは大きな目標に向かって突き進んでいる。

八村塁の所属するウィザーズにとっては相当な難敵だが、本拠地ワシントンに舞台を移す29日(日本時間30日午前8時)の第3戦でまずは一矢報い、さらには大番狂わせを起こせるか。